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製作秘話2 クラシックサッチェル

クラシックサッチェル

レザーバッグの製造・販売を始めたときに一番最初に作ろうと思ったのがA4のクリアファイルや11インチのMacBookが入る中型のショルダーバッグです。なかでもクラシックサッチェルは特に思い入れのあるバッグで、スタッフも愛用しています。

全体的な方向性としては、ビジネス・カジュアルの両方で使えるバッグを目指して、なるべくシンプルに作りました。フラップが前面を覆う落ち着いたデザインにして、ベルトや小さなパーツなどはつけませんでした。全体的に少しやわらかい雰囲気にするため、メインコンパートメントは内縫いにしました。くだけすぎず、かたすぎず、いい感じのシルエットにできたと自負しております。

フラップは豚革で裏張りしてあります。これは、耐久性やデザインのほかに、重量バランスを考えての設計です。革を分厚くすることにより重くなり、自然とフラップが垂れるようになります。ちょっとした工夫ではありますが、マグネット式のバッグには必要不可欠です。同様の理由で、長方形の革をフラップ下部に縫い付けてあります。

留め具に関してはちょっとした苦労がありました。と言うのも、当初の試作品ではよくある露出型のマグネットパーツを採用していたのですが、これが壊れてしまったことがありました。何度も開け閉めするうちに金属カバーがぐらついて、最終的にポロッと取れてしまったのです。これはいけないな、ということでマグネットを革で覆う仕組みにしてみたところ、耐久性がぐんと増して実用的になりました。また、試作品では開閉時にマグネットの凹凸を毎回きっちりと合わせなければならず少し面倒だったのですが、今の形にしたことで、そのままパチッと留めれば自然と固定されるようになり、使いやすさも向上しました。思わぬ副産物だったのですが、これは結構うれしかったです。

メインコンパートメントは型くずれを予防するために縁取りしてあります。このバッグのフラップは少し重めに作ってありますので、その分本体をしっかりさせて、フォルムを保つ工夫が必要でした。この点についても最初は考えておらず、元々はフラップを縁取りする予定でしたが、開閉時に伸縮させたときに縁を圧迫してしまい、かえって耐久性が低くなることに気づきました。よって、最終的には現在の形に落ち着きました。

ストラップも豚革で裏張りしてあります。もともとは幅の狭い革2枚重ねたもの、すなわち「細く分厚い」仕組みだったのですが、背負った時にやや肩に食い込むのが少し気になりました。そこで、ストラップを当初のデザインより幅広にして、豚革で裏張りにした「幅広でちょうど良い厚さ」にしました。もっとも、耐久性やコストはまったく変わりません。実際、このストラップは見た目以上に頑丈で、76kg程度の張力にも余裕で耐えられました。タウンユースでそこまで重い荷物を持ち運ぶことはありませんし、完全なオーバースペックではありますが、一生お使いいただくレザーバッグとしてはこれくらいで丁度よいかなと考えております。