合計30000円以上のお買い上げで送料無料となります。

製作秘話2 クラシックサッチェル

クラシックサッチェル

レザーバッグの製造・販売を始めたときに一番最初に作ろうと思ったのがA4のクリアファイルや11インチのMacBookが入る中型のショルダーバッグです。なかでもクラシックサッチェルは特に思い入れのあるバッグで、私自身も愛用しています。

全体的な方向性としては、ビジネス・カジュアルの両方で使えるバッグを目指して、なるべくシンプルに作りました。フラップが前面を覆う落ち着いたデザインにして、ベルトや小さなパーツなどはつけませんでした。全体的に少しやわらかい雰囲気にするため、メインコンパートメントは内縫いにしました。くだけすぎず、かたすぎず、いい感じのシルエットにできたと自負しております。

フラップは豚革で裏張りしてあります。これは、耐久性やデザインのほかに、重量バランスを考えての設計です。革を分厚くすることにより重くなり、自然とフラップが垂れるようになります。ちょっとした工夫ではありますが、マグネット式のバッグには必要不可欠です。同様の理由で、長方形の革をフラップ下部に縫い付けてあります。

フラップの留め具に関してはちょっとした苦労がありました。と言うのも、当初の試作品ではよくある露出型のマグネットパーツを採用していたのですが、これが壊れてしまったことがありました。何度も開け閉めするうちにマグネットの金属カバーがぐらついて、最終的にポロッと取れてしまったのです。これはいけないな、ということでマグネットを革で覆う仕組みにしてみたところ、耐久性がぐんと増して、実用的な留め具になりました。また、試作品ではフラップを閉める際にマグネットの凹凸を毎回きっちりと合わせなければならず少し面倒だったのですが、今の留め具にしたことで、そのままパチッとフラップを留めれば自然とマグネットで固定されるようになり、使いやすさも向上しました。思わぬ副産物だったのですが、これは結構うれしかったです。

メインコンパートメントは縁取りしてあります。これは、フラップを閉めた際の型崩れを予防するためです。クラシックサッチェルのフラップは少し重めに作ってありますので、その分メインコンパートメントをしっかりさせて、フォルムを保つ工夫が必要でした。こちらも試作品では縁取りはなく、第2段階では元々フラップにつける予定でした。ただ、フラップを縁取りしてしまうと、開閉時に伸縮させたときに縁取りを圧迫してしまい、かえって耐久性が低くなることに気づきました。よって、最終的にはメインコンパートメントを縁取りすることで落ち着きました。

ストラップも豚革で裏張りしてあります。もともとは幅の狭い革2枚重ねたもの、すなわち「細く分厚い」仕組みだったのですが、デザインとしてはやや野暮ったい感じがしました。そこで、ストラップを当初のデザインより幅広にして、豚革で裏張りにした「幅広でちょうど良い厚さ」にしました。もっとも、耐久性やコストはまったく変わりません。実際、このストラップは見た目以上に頑丈で、76kg程度の張力にも余裕で耐えられました。76kgの荷物をバッグに詰め込むことはありませんし、完全なオーバースペックではありますが、一生お使いいただくレザーバッグとしてはこれくらいで丁度よいかなと考えております。